「え? いや、だって、小さい頃は......」「私達よりも2つ上のボブの事は覚えてる? アンタに厳しかったボブ。 アンタ、ボブの事、嫌ってたでしょ?」「ああ、覚えてる。 あの野郎は絶対にゆるさねえよ!」「端から見ればアンタの事を苛めてる様にしか見えなかったけど、ボブが自分が居なくなったあとの孤児院をアンタに任せるつもりで厳しくしてたって分かってる?」「ああ、そんな事も言ってたな。 でもそんなの関係ねーよ! 理由があったってあいつはやり過ぎだったろ!」「そうね、私から見てもちょっとやりすぎてるところはあったと思う。 それでさ、あんたがレンにしてきた事と、あんたがボブにされた事。 一体どんな違いがあるの?」「え?」「ボブは少なくともあんたを鍛えるって理由があったけど、アンタはどうなの? 大した理由なんてないでしょ? 照れ隠しだか何だか知らないけどね? ...... 孤児院に居た時から何度も言ってきたと思うけど、そんな事してたら嫌われるって言ったよね? 何度も何度も...... アンタさ、自分がレンにそれだけの事してきたって理解してる? アレだけしつこく苛めて泣かして、何で好かれてるなんて発想出てくるのか理解できないわ、私」「え...... 俺が......? ...... あ、いや...... でも、あれは......」 お、やっと自分の行動を振り返ったか。 そしてようやく自分がしてきた事を理解した模様。 困惑の表情から一気に顔色が青くなって、おろおろしだしたかと思えば途端に視線が泳ぎまくってる。 キモイ、こっち見んな。「レンの事なんで言わなかったんだってさっき言ってたけど、レンがあんたの顔も見たくないって言ったから私は言わなかった。 なんか文句ある?」「それは...... でも、お前に色々教えて俺たちの事を助けてくれたんだろ? 顔も見たくないって言うなら、なんでそんな事したんだよ......?」「...... 友達のトリエラやマリクル、妹分のリコ達を助けたかったからです。 貴方はたまたまトリエラ達とパーティーを組んでただけです。 貴方達はただのおまけです。 そもそもトリエラ達が居なかったら関わろうとすら思いません」「な、ん...... レン、おまえ......!」 あ、怒った?「この...... ッ!」 って、掴み掛ろうとして来た? ノルンさん、やっちゃってください!「みつけたぁぁぁあ! ケイン、死ねェェェェエッ!!!」 ドカッ!「ごあっ!?」 ...... ノルンが蹴散らす前に、物凄い勢いで走ってきたアルルがその勢いのまま、ケインに飛び蹴りを食らわせた。 ケインは2m位吹っ飛んでピクピクしている。 ちっ、まだ生きてるか。 しぶとい奴だ。 っていうかケイン、今、ナチュラルに手を上げようとしたよね。 やっぱり頭おかしいわ。 ...... 出番をいきなり奪われたノルンがぽかーんとしてるけど、たまにはこういう事もあるよ、ノルン。「はー、すっきりした。 レン、間に合った?」「ぎりぎりアウトですね。 少し話をしてしまったので」「むむむ」「...... はぁ、ふぅ、間に合ったか?」 おっと、遅れてマリクルも登場。「残念ながら間に合いませんでしたね」「ごめん、レン。 私とマリクルが話してたの聞かれちゃったみたいで......」「時間の問題だったでしょうから、気にしないでください」「すまん」「マリクルもアルルも、その位にしておこう。 ごめんレン、今日のところは帰るね。 ケインもアルルの飛び蹴りで丁度気絶してるし、マリクルに背負って貰って連れて行くから」「大丈夫ですか?」「大丈夫、大丈夫! ようやく自分のしてきた事を理解したみたいだしね、いい機会だから帰ったら今日はずっとケインに説教するよ! 勝手にレンに会いに来ないように念入りに! マリクルも協力しなさいよ!?」「わかってる。 面倒かけたな、レン」「大丈夫です。 よろしくお願いしますね」「まかせろ」「私も蹴りまくるよ!」 とまあ、最後はぐだぐだな感じになったけど、一応一件落着? みんな申し訳なさそうに帰っていった。 馬鹿の事はみなさんでぼこぼこにしてやってくださいね?
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